Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
24 3位決定戦の
意味



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2021/10/15 掲載







 スポーツでは優勝というのがベストな結果だというのは言わずもがなだが、サッカーでは2位や3位という結果はあまり重視されていないように思う。
 10日に欧州ネーションズリーグの3位決定戦が行なわれたのだが、試合前日のインタビューでベルギー代表のGKが3位決定戦は無意味だと発言した。他にも怪我の疑いのある選手が大事を取って戦線を離脱するなど、3位決定戦が軽視されていることが見て取れる。
 それに加えサッカーでは2位という結果を喜ぶ選手も少ない。欧州CLやW杯では2位のチームにもメダルが贈呈されるのだが、選手は首にメダルをかけてもらった直後に外す。この行動には批判的な声が上がることも多いのだが、敗戦の直後、結果に満足いっていない心情というのは理解できるのではないか。
 という訳で3位決定戦はあまり選手がモチベーションを保ちながら戦える試合ではない。そもそも最近では試合数の増加が疲労や怪我に繋がるのではないかと懸念されている。例えばリーグ戦、国内カップ戦2つ、欧州カップ戦、代表でのW杯予選や大陸カップ戦などを世界を転々としながら戦う選手達は、出場する試合と欠場する試合を選ばなければならない。そんな中で3位決定戦の試合は休息に当てるべきたと選手や監督は感じている。だからこそベルギー代表は3位決定戦で中心の3選手の内2人をベンチ外に置き、もう1人もベンチスタートさせたし、イタリア代表も準決勝のスタメンから5人を変えた布陣で3位決定戦に臨んだ。
 見る側としてもベストメンバーが出ておらず、選手のやる気がマックスでない試合は面白味に欠ける。そろそろメリットを生み出さない3位決定戦のシステムは考え直すべきなのではないだろうか。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!