Little Halftime Talk

Soccer Columns in Jweekly
- San Francisco Bay Area Japanese Newspaper
【連載】サッカーむだ話 ハーフタイムのつぶし方
01 コロナ禍で、サッカー界では
マスコットさえもクビに!?



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2021/05/07 掲載




消えた?ガナザウルス


 この1年、世界は新型コロナウイルスに振り回されたが、それはサッカー界も例外ではない。大会の延期や中止、ウイルスに感染した選手の欠場、そして一見練習試合にも見えてしまうような無観客試合。しかももう来年にはW杯が迫っており、ワクチンの接種が進まなければ4年に1度の祭典ですら無観客で行われてしまうかもしれない。それは流石に寂しい。
 それはさておき、ファンから見えにくいところにもパンデミックの影響はある。去年から世界中で多くの選手やスタッフが仕事を失ったわけだが、その一人(一匹?)がアーセナル(イングランドプレミアリーグ)マスコットのガナザウルスだ。去年10月にスタッフ55人の解雇を発表したアーセナル、なんとその中にはガナザウルス(厳密には中の人)も含まれていたのだ。彼は27年もクラブに奉仕してきたにも関わらず、試合が無観客で行われるようになったことで役割は激減したのだろう。また、ヨーロッパでは日本に比べマスコットの存在はそこまで大きくはなく、キャラクターのクオリティも高いとは言えない(私見)ため仕方がなかったのかもしれない。
 しかし選手が週に何百万、何千万円と稼ぐ中、マスコットの解雇に疑問を投げかける声も。プレミアリーグの選手の平均週給は700万円を超えると言われており、「選手の週給≒スタッフの年収」という業界でよく言われる公式が成立し得るならサッカークラブの雇用問題なんてどうにかなるのでは、というのが僕の本音だ。選手が高い給与を要求するのはその価値が自分にあると信じているからであり、生活というよりプライドがかかっているのだろう。それでも多くの選手は減給に応じており、自主的に給与を返納している選手もいる。選手全員が給与の一部返納を申し出たJ1札幌がいい例だ。やはり多くの子供が憧れる選手達にはピッチ外でもいい見本であって欲しい。
 因みにガナザウルスは同クラブの元ドイツ代表、メスト・エジル選手が給与の全額負担を提案したことでクラブに戻ってくることができたが、それ以降彼の姿を見ない。やっぱりスタジアムに人が来ないと仕事はないのか。もう4か月もツイッター更新されてないし。




shumpei WRITER:菊地俊平
日韓W杯が開催された2002年日本生まれ。在米8年。サッカー歴12年。
ポジションはMFまたはFW。好きな選手は松井大輔。来春から日本で大学生!